昔書いた小説 『一人ぼっちの世界』 序章
※多少見苦しいかもしれませんがご了承ください。

編集が終わったものが見つからなかった。


世間に、いや日本に、いやいや、世界に……
ボクは絶望していた。

病み上がりに3日に5分しか寝てない快挙で作り上げた卒業論文。
帰ってきたのはボロクソな批判。

……校長が何か言っている。
何を言っているか思い出せないし、思い出したくない。
何を根拠に、ボクの卒論を駄目だと言い張るのか
ボクにはそれが分からない。
そんなわけがないボクの体験談や、ネット上の書き込み本にはそう書かれていた。
間違いなどあるはずがない。

そして、病み上がりのボクに気遣いの言葉一つもない。
必死に書いた番外レポートにも目を通さず何故それが言えるんだ?

嗚呼、ここにきたことが間違いだったんだ。
僕の発表が終わり3人ほど発表があった。
それで午前の部は終わる。

頼りにしていた進路指導の先生に電話
……


結局こちらの気持ちを分かってもらえない。

担任に早退の連絡
……

結局分かってくれない。


学校の裏の電柱傍に止めた自転車にまたがり、ボクは宣言どおり帰った。

途中、よろよろと空き缶を集めるホームレスのおじさんが居た。

……。

頑張ってるなぁ……。

もうボクは世界に絶望している。
そんな中懸命に生きるホームレスの姿は、儚くも美しく思えた。
汚れているからだ、汚れている衣類、そんなのは関係ない。
ただ、その日その日を頑張って生きようとしているホームレスにボクは少し離れたところで自転車を止め、自分の財布をポケットから出し、千円札が2枚、五千円札が1枚、計7000円あるお札をぐしゃりと握り締め、ぱっとみ紙くずにしか見えなくなったそれを、左手に掴み、再び自転車をこぎ、すれ違い様に、その7000円分の紙くずをそのホームレスのおじさんの自転車の前籠にポイ捨てするかのように入れた。
「嗚呼!?」
ゴミを入れられたのかと思い、此方に対し不服の意を表すホームレス。
「……」
ボクは何も言わない、その代わり数秒後
「……本物か……?」
丸めた札を広げ、恐らく太陽の日に当てたのだろう。
無論本物だ。
「………ありが……」
そういおうとした小さな声は、風の音にかき消された。

人助けが気持ちいいのかは今の自分には分からない、
ただ、一週間ぐらい、の幸せを今すれ違ったおじさんにあげられたのだと思う。
ボクにはもう必要がないものだから。


そして、アパートにつく、503号室、つまり5階だ。

ここ卒論で忙しくまともに食べていない、だから腹は減っているはずなのだが。
食べる気にならない。
それでも、胃の中が空っぽだと、腹が音を立てる。
おやつ的なモノでも買いに行こうかとポケットに入れた財布の中を見ようとするが。
……。
途中で気づく、もう必要ないからとホームレスの爺にくれてやったんだ。
もうなんか……色々とどーでもいいや。
そして、ボクは、ベランダに出て、塀をよじ登り、宙へ飛ぶ。
空を飛べる気がしたわけではない。
麻薬には手を出してない。
嗚呼、でも死ぬぐらいなら一度、その快楽を知ってみるのも良かったかもしれない。
耳に風を切る音が聞こえたと思う間もなく

…………。

グシャッ……


……


……

……

あれ……痛くないぞ……?怪我もしてない。

その代わり、周りは、真っ白だった。

その後声が聞こえた。

「はじめまして、○○君」

……どこからともなく聞こえた声、でも当たりはただ見渡す限り白だけの空間

「だれですか?」

ボクは辺りをきょろきょろしながら声の主を探した。

「わたしは、女神です、貴方は、死のうとする前良いことをしましたよね?」

「はぁ……」

女神ですといってだれが信じるものか、でもこういう意味不明な世界に居るのだから

今はそういう特別な者がいるのかもしれない。そして自称女神が言ったことが気になった。

「ん……良いこと?……」

一瞬なんのことか分からず問いかけようとした時、見ず知らずのホームレスに金をやったことだと思った。

「貴方の望みを適えましょう。貴方が欲しいのは何ですか?」

「……」

金、富、名声、凡人ならそれ関係のことをいうだろう。

だが、ボクは、世界に絶望している。
だからボクはいらない。 何も……。

そう思っただけだった。それだけなのに……。話は進んだ。

「分かりました。 では、貴方の望みを適えます」

「え………ボクは、何も……」

「はい、何も、何者も居ない世界へ、貴方を誘います」


「……何者も……」

そうか、そうだよな、世界や世間に失望しているんじゃなくて
そういう世界や世間を作った人間に失望しているんだ。


そして、真っ白だった世界が急に色づく、見慣れた風景かと思いきや
自分がぐちゃりとなる瞬間で、その0,1秒後には……
と思いきや、宙に浮いて停止していたボクは、どんどん地面から遠ざかる。
まき戻されると思ったのは、アパートの2階のベランダ辺りから、更にまき戻り、
ベランダの塀をよじ登った瞬間のボク、

そして、最終的にベッドに腰掛けて、財布の中身をチェックしようとするボク。

今度はそれに、吸い込まれるかのようにボクはそのボクに吸い込まれた。

そして、正常になった視界にうつったのは、財布を開けようとするボクだった。

……
「んぁ……」
何だったんだろう?寝てたわけでもないが夢を見ていたような、そんな気持ちだ。
ただ、何故か、死のうとしていた気持ちが完全にさめていた。
死んだところで何もならない。
視界に映るのは手が掴んでいた財布。
勿論、我に返って財布に用があるわけではない、ベッドの端に置いて
財布を入れた方とは違うポケットに入った携帯電話を取り出し
着信履歴から意味なく親にかけようとした。
~~♪……~~♪……
「あほらしぃ……」
発信を中断し、体にこみ上げた疲労感。
そういえば……最近卒論で寝てなかったんだ。
ベッドに転がる。
卒論で無理したこと、信じがたいことのせいで肉体的、精神的にもボクはくたくただった。
そして、そういえば、ホームレスに7000円あげたことを思い出す。
……あれは、現実か?……?
財布の中身を見て少しショック。
「……ボク何してたんだろ……」
まぁ……気に病んだところで、あげたお金を取り返す気はない。

別に7000円ぐらい、アルバイト二日分で稼げる。
とりあえず……今は寝よう……。
今は、お金のあれこれを考える気はしない。

耳に残ったのは、女神の声ではなく、
「……ありがとう」と言おうとしていたホームレスの声

そして、心地よい夢が始まりかけた時。
チャラッ!♪チャラッ!♪
これは、充電切れの音、30秒程なった後、電源オフになる合図。
「うっさい……なぁ……もぅ……」
目を開けたくないので、布団を被り、少しでも音を遮断しようとした。

やがて……。

……。

……。

脳裏に浮かぶのは、携帯画面に表示される see you again の文字。

そして、始まるボクの物語。

何時からが幸せで 何時からが苦痛なんだろうか?
[2013/03/24 17:10] | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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